新任の先生のご紹介-毛澤兵先生(バイオマテリアル研究室)
2024年4月1日付けで当学科にご着任になられました3名の先生方のご研究紹介,お二人目はバイオマテリアル研究室の毛澤兵先生です(学科広報WG)。
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ソフトロボット技術を用いた直腸シミュレータの開発
高齢化に伴い、要介護の高齢者が年々増加しており、被介護者の日常生活活動の支援は大きな課題となっています。中でも排泄介護は、最も負担の大きい介護作業の一つとして知られています。介護現場では、排便が困難な場合、介護者(主として訪問看護師)が指を用いて被介護者の便の排出を助ける排便ケアを行います。これにより、介護者だけでなく被介護者にも身体的および精神的負担が生じます。特に硬便の場合、無理に掻き出すと腸粘膜への刺激や損傷のリスクが高くなるため、介護者には熟練した摘便手技が必要です。また、指先の感覚のみで腸内の状況を確認しながらケアを行う必要があるため、介護者には高度なスキルが求められますが、練習する方法はほとんどありません。このような現場の問題を解決するために、摘便技術習得のためのシステムが求められています。そこで、ソフトロボット技術を看護介護分野に応用し、訓練用の直腸シミュレータのモデル提案および動作の検討を行います。
本研究は、柔軟なアクチュエータおよび補助システムの設計、製造、加工、制御の分野に焦点を当てています。人間の直腸運動を分析し、環状駆動器を設計し、さまざまな制御方式を用いて人間の排便プロセスを模倣することを目指しています。将来的には、直腸内膜の感知機能をシミュレートするためにセンサーの導入を検討しています。本システムは、柔軟なアクチュエータ、センサーと制御技術を組み合わせることで、実際の排便プロセスを再現することを目指しています。これにより、介護者が安全に技術を習得し、被介護者の負担を軽減することが期待されます。
図 直腸シミュレータの三次元設計図(左)と実際の装置図(右)
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