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機械工学科の研究

機械工学科の学部教育課程の4年間では,どちらの教育コースを選択する場合でも機械工学の基礎力養成を主眼とした教育を行っています。これらは卒業後に卒業生が向き合う可能性のある機械工学の諸問題を受け止め,理解し,問題の解決へと進めていくための機械工学技術者としての土台を形成するプロセスと言えます。

しかし,近年の技術の進歩と学問の細分化は,技術者が複数分野の基礎を有機的に組み合わせたり,他分野の知識を積極的に吸収・活用して問題を解決するような能力を備えることを求めるようになりました。それには,実際的な先端の技術課題への挑戦を通じた能力の強化が必須といえます。機械工学科では,大学院(創成科学研究科・機械工学系専攻)において特徴的かつ先端的な研究を実施しています。近年では機械工学科卒業生の7割程度の学生が,大学院へ進学し,自身の研究課題に日夜意欲的に取り組んでいます。

各教員の研究内容については以下のページをご覧ください。

工学部研究者紹介(機械工学科)

特徴的な研究を以下に紹介します。

国際宇宙ステーション「きぼう」で船内実験を実施

航空機のジェットエンジンでは液体燃料の噴霧燃焼が行われています。噴霧とは霧状に微細化された無数の燃料粒(液滴)の集まりです。その完全燃焼のためには噴霧全体に火炎が燃え広がる必要がありますが、個々の液滴は非常に小さいため、燃え広がりにおける液滴の影響は完全には解明されていません。三上真人教授は燃料噴霧の燃え広がりメカニズムを調べるための基礎研究として、観察の容易な大きな液滴から成る液滴群の燃え広がりに関する実験を無重力環境を利用して行っています。この研究は2017年に国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」でも実験が行われました。宇宙実験も利用して、燃料の粒同士がどのように関連し合って燃え広がりに影響しているかを詳細に調べています。

ISS(JAXA/NASA提供)

【リンク】この研究課題に関する三上先生のミニ講義が,2016年10月「夢ナビTALK」福岡会場にて行われました。こちら(新しいタブ・ページが開きます)からご覧ください。

生体内で溶けるプラスチック製ボルトを機械加工でより強くする

一般的に重度の骨折の治療には,ステンレス鋼やチタン合金などの金属製のボルトやプレートが使用されますが,骨折が完治した後に再手術してこれを取り除かなければいけません.これは,患者への精神的・肉体的な負担を大きくします.そこで,近年注目されているのがポリ乳酸などの生分解性をもつプラスチックです.このプラスチックは体内に埋入すると一定期間をへて徐々に溶解し異物として残存しないため,ボルトやプレートとして使用すれば再手術の必要がなくなります.しかし,プラスチックは金属に比べ強度に劣るため負荷の大きい部位への適用が困難とされています.大木順司准教授は,鍛造などの加工技術により,ポリ乳酸製ボルトに大きい強度を発現させる手法を開発しています.さらに,プラスチックの形状記憶性を利用した新しいボルトやプレートの開発を目指しています.

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生体信号を用いないアシストスーツ制御システムの開発

人間の身体に装着して利用し,随意運動のリハビリテーションや重労働に従事する人の軽労化などの目的で利用される「着るロボット」アシストスーツが注目されています.ロボット工学でアシストスーツの萌芽的な研究が行われてから20年近くを経て,現在では一部の分野で実用化も始まりつつあります.しかし、真に汎用性のある装置として社会に普及するには至っておらず,まだ改善の余地があると考えられます.藤井文武准教授は,個人差が大きい筋電位などの生体信号を用いることなく作業者の負荷の大きさを推定するアシストスーツ制御システムを開発しています.これにより、生体信号の個人差特徴の学習や適応機構などを組み込むことなく負荷量に応じたアシストを供給するアシストスーツが実現でき,1台の装置を複数の作業者で共有する製造現場や介護などの分野へのアシストスーツ導入が進むと期待されています.

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